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湯浅醤油がフランスで新たな産声を上げる。23年春に仏ボルドー郊外のサンテミリオンでワイナリーを経営するAdrien DAVID BEAULIEU(アドリアン・ダヴィド・ボーリュー)氏、ウノコムジャポン代表取締役社長加藤尚孝氏とともにフランス産有機の大豆と小麦、同社の麹菌を素にフランスで醤油の醸造に挑む。同時にボルドー市内でレストランも開き、日本の醤油発祥の地でこだわりの醸造製法を続ける湯浅醤油の名を同地で広め、プレゼンスを高めていく。

きっかけは湯浅醤油代表の新古敏朗社長が仏ボルドーを14年前に訪問し、ワイナリー見学時に醸造に適した環境と道具が揃っていると感じたこと。20年に加藤氏と出会いワイナリーでの醤油醸造プロジェクトが進みだした。ボーリュー氏のワイナリー「シャトー・クーテット」近くに新たな土地を購入し、醤油の原料となる小麦と大豆を有機栽培できる環境も整えた。

コロナ禍に計画はスピードダウンしたが、その間にフランス産醤油の販売だけでなく、もっと魅力的に味わえる場も設けたいと新古社長はレストラン経営への出資も決意した。今月11月にはボーリュー氏と加藤氏が和歌山県を訪れて湯浅醤油の醸造技術に触れた。来春のフランス産醤油のお披露目と和食ベースのレストラン「湯浅のはなれ」オープンに向けた打ち合わせも行い、計画は本格的に進みだしている。「来年早々にボルドー木樽や麹ムロやワイン樽蒸器などの機材もすべて手作りする」と新古社長の23年春渡仏を機に、現地の大豆と麦を使いワイン造りの木樽での醤油醸造がスタートする。

さらに23年秋にはボーリュー氏が今秋から有機農法で栽培している大豆と小麦を原料に完全自前原料のフランス産オーガニック醤油も仕込む。湯浅醤油麹菌のオーガニック認証申請もフランスで進めた。「コロナ禍がなかったら本格的に始まらなかったかもしれない一大プロジェクト。フランス産原料のBio醤油の誕生は、フランス料理界にもインパクトを与えるかもしれない」(新古社長)と期待に胸を弾ませている。(深瀬雅代)

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